2015年04月24日

オリンピックと文化プログラム

 来年、南アメリカ大陸で初のオリンピック・パラリンピックがブラジル・リオデジャネイロで開催されます。
そして2020年には東京で2度目となるオリンピック・パラリンピックが開催されます。
1964年の東京オリンピックから56年の期間を経て開催されるオリンピックは、
世界の人々を魅了し、様々な競技で記録更新されることでしょう。

しかしながら不安定な世界情勢、テロ、金融危機など安全・安心を脅かす要因が見え隠れしています。
世界のトップアスリートが安心して来日し、安全に競技を行えるよう不安要素が早期に払拭されることを願っています。

 さて、なぜオリンピックの話題に触れたかというと、
一般的には知られていませんが、オリンピックはスポーツだけではなく
「文化の祭典」でもあるのをご存じでしたでしょうか。
オリンピック憲章には文化プログラムを開催することが規定されているのです。


 今回は「オリンピックの文化プログラム」について紹介していきたいと思います。


 はじめにオリンピズムの根本原則にはこのように書かれています。
「1 オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、
均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。
スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、
よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。」*1

 そして「OCOG(オリンピック競技大会組織委員会)は、短くともオリンピック村の開村期間、
複数の文化イベントのプログラムを計画しなければならない。
このプログラムは、IOC理事会に提出して事前の承認を得るものとする。」*2
 と文化プログラムについて明記されています。


 様々な文化プログラムが開催されることとなったのは、
約100年前の1912年ストックホルム大会からになります。

当初は、「芸術競技」として建築、彫刻、絵画、音楽、文学という5種目が正式種目に導入され、
スポーツをモチーフとした芸術作品のコンペが行われ、メダルも授与されていました。

しかし芸術で競い合うことは適切ではないことから、
1952年のヘルシンキ大会からは「芸術展示」となりました。

 ちなみに1964年の東京大会のときの文化プログラムはどのような内容だったのかというと、
日本最高の芸術品を展示し(美術部門4種目)、
日本の伝統芸能を披露する(芸能部門6種目)プログラムが開催され、
40万人が来場されました。*5 

 1992年のバルセロナ大会以降は「文化プログラム」として
さらに多彩なプログラムが展開されるようになり、
2012年のロンドン大会では開催の4年前、2008年北京大会終了後から
「ロンドン2012 カルチュラル・オリンピアード」が開始されました。

2012年ロンドン大会開会1か月前からパラリンピック閉会までの2か月半は
「ロンドン2012フェスティバル」として大規模な芸術祭が英国全土で展開されました。

「ロンドン2012 カルチュラル・オリンピアード」は、
イベント数17万7,717件、
参加者数4,340万人、
総予算約210億円という、かつてない規模になりました。*3


 日本における2020年東京大会に向けての動きですが、
文化庁に「2020年に向けた文化イベント等の在り方検討会」が設置され、
様々なアイデアが議論されています。
また2013年11月に文化庁と観光庁が文化庁と観光庁は包括的連携協定を締結し、
2020年東京大会に向けて2016年のリオデジャネイロ大会終了後から開始される文化プログラムの
着実な実施に向けて歩み始めています。*4
これら文化プログラムは2016年リオデジャネイロ大会閉幕後から実施されていく予定になっています。

 文化庁は2020年の東京大会をきっかけに、スポーツと文化、教育を融合させ、
2030年を目標に真の「文化芸術立国」を実現させるとしています。
さまざまな文化プログラムを展開し、世界の人々を文化でも
「おもてなし」できる日本になれるといいですね。

 スケールを愛知県におとしてみると、2016年は「あいちトリエンナーレ」が開催されます。
2020年のオリンピックの前に、まずは「あいちトリエンナーレ」が盛り上がることを期待しています。




参考・引用元
*1 公益財団法人日本オリンピック委員会 http://www.joc.or.jp/ より
*2 オリンピック憲章(2011 年版)規則39 より
*3 ネットTAM 掲載「2020年オリンピック・パラリンピックに文化の祭典を〜新たな成熟先進国のモデルを世界に提示するために」吉本 光宏 http://www.nettam.jp/course/tokyo2020/1/ より
*4 文化庁webサイトhttp://www.bunka.go.jp/ima/press_release/bunkachou_kankouchou_131120.html より
*5 2020年東京五輪 ――文化プログラムによる地域活力の創造を 吉本光宏|ニッセイ基礎研究所 http://www.esri.go.jp/jp/workshop/forum/150319/data/150319_siryo01.pdf より

文化#00-1


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posted by 館長 at 16:31| Comment(0) | 文化の源流をめぐる
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